【天からの声】
“モアイコーチーーー”
お、きょろ、きょろ。
審判をしようとグラウンドの真ん中で子ども達を待っていると
どこかで誰かが私を呼んでいる、ような。
空耳なのか、なんなのか。
私を呼んでいる声が聞こえる。
キョロキョロしても声の主は見当たらない。
“モアイコーチーーー”
どうしたんや、まだ聞こえるで。
その声に反応して、やたらキョロキョロしてしまうのだが、
声の主は見当たらず、もどかしい。 なんかかっこ悪いような。
結局、グラウンドの反対側の門の所から遅れて自転車で来たコーチが
私を呼んでいた。
学校への入り口がわからない様子で私に助けを求めていた。
“呼んだら、すごい反応で、腹抱えて笑っていたのですよ。”
“だって、どこから呼ばれているか、全然わからんねんもん、探すわな。”
入り口を教え、こちらからはお母さん方を迎えに行かせて
やっと合流できました。
天から名前を呼ばれるのも、悪くないね。 楽しい。