【2日目の攻防 その2】 No.4414

【2日目の攻防 その2】

“じゃあ、気をつけてな。”

“いろいろとありがとうございました。”

おっちゃん二人に見送られ、山に登り始めたのは、空の明りがまだかすかに

残っている19:05でした。



歩き出して1分後にはすでに後悔していた。



だって、あまりにも真っ暗なのだもの。







“太陽が出たら出発しますんで一晩泊めていただけませんか。”

LEDライトを貸してくれたおっちゃんにお願いしたら泊めてくれるのではないか。

朝から伯母子岳に登り、寝袋を回収して帰った方が安全じゃないか。

立ち止まって考えていれば引き返すこともできたであろうに

これらの事を歩きながら、登りながら考えているからどんどん前に進んでしまう。



LEDライトで照らされた道は歩くべき道が白く浮き上がり何とかわかる。

10分も歩くと、正規の道にポコッと出てきた。


PT360001

 伯母子峠まで7.5km



正規の道に出てこれた嬉しさと、峠までの距離の長さに愕然とし、

前に進むしかないと腹をくくる。



ここからは朝通ってきた道



浮いている葉っぱの影に驚いたり、

猫か何か動いてビビッたり、

道を踏み外さないようにだけ気を付けながら進む。



小屋に誰かいたらどうしよう。

きっと、もう寝てるべ。

“トントン ガチャ 夜分お休みの所恐れ入ります。”

って入っていったら、中で寝てる人は絶対怖い。

こんな真っ暗の中を歩いて登ってくる人、普通おらんで。

 こいつ、アホちゃうか、と思われるやろうなあ。



大休憩した水ヶ元屋敷跡の立て札には 山姥 のお話がのってるし、

そんなん立て札に怖い話書かんでいいっちゅーねん。



そもそも何でこんな事になったかといえば、

 私の立てた計画があほすぎて、今の私ではそもそも無理。

 その計画があほすぎることに気がつかない、私の経験のなさ。

 計画の時点で経験者に相談すべきではないか。

 ポイントポイントでの私の判断は正しかったか?

 最後の最後でおっちゃんに泊めてください、ってなぜ思わなかったのか。

夜道を歩きながら、私の頭の中はループを続ける。







小屋が近づいてきた。

水場で2Lの水筒を満たし、小屋に向かう。







“トントン ガチャ 夜分お休みの所恐れ入ります。”

って、扉を開けたら・・・、

 無人だった。



寝袋も朝置いた場所にそのままいた。



よかった、助かった、無事に着いた。

本当にホッとしました。

嬉しかった。



19:05に登りはじめて、伯母子峠の小屋に着いたのは21:18



長かったのか、短かったのか、なんか必死な時間でした。







 なんとか無事だからよかったようなもののこんな事をしてちゃだめだよね。

よい子は真似しないように。



さすがに私も、このコースで行く、って言う人がいたら

 ”大丈夫、いけるいける” とはよう言いません。

 ”無茶やからもうちょっと考えよう。auならこのコースすべて圏外やし。”







私も小屋に無事に着いた事をバスの運転手さんに連絡したかったのですが、

auから連絡できたのは翌日の11時前、大滝からでした。







小屋でホッとして、身体拭いて、足を冷やして、パン食べて寝ました。

22:00就寝

小屋の中には虫がいないのです。

これだけでだいぶ助かったな。

 おやすみなさーい。














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【2日目の攻防 その2】 No.4414」への2件のフィードバック

  1. ハラハラドキドキしながら読ませてもらいました。
    無事に小屋まで戻れて良かったです~
    引き続き、気をつけてお進みくださいね!

    1. 充分に気をつけました。しかし、はじめの計画が大切ですね。そのことを実感した今回の旅でした。

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