【おー、モアイコーチ】
“おー、モアイコーチ!”
“おーコーチ!”
“こんにちは。”
F永さんを迎えに長居駅に向かっていると、
セレッソのシャツを着た5年生3人組に会う。
“こんにちは。 どうしたん?”
“今からセレッソの練習です。”
“そうか。”
“コーチは?”
“目が見えへん人と走る約束をしてるねん。”
“何キロ走るのですか?”
“2kmを5本”
“へー。”
“がんばってこいよ。”
“はい。”
雨の中、傘もささず、ハムスター団子のようにくっついて練習に行きました。
F永さんとアップをしてから2kmのインターバル5本
走る前の希望としてはキロ4:20では走りたい。
一本目 4:11 4:19 8:30
レスト 1:12
二本目 4:14 4:11 8:25
レスト 1:19
三本目 4:09 4:16 8:25
レスト 1:29
四本目 4:14 4:19 8:33
レスト 1:30
五本目 4:15 4:11 8:26
すごい。
こんなしんどい練習 素晴らしいタイムで走りきりました。
ダウンして、駅まで送っていって、私が着替えようと思ったら、
また、見慣れたハムスター団子が目の前に現れる。
“おー、モアイコーチ!”
きみ達の第一声はいつも同じやな。
“もう走ったのですか?”
“何周走ったのですか”
“どうして目が見えなくなったのですか?”
“目が見えない人とどうやって走るのですか?”
という質問に順次答えつつ
“君達、着替えは? びしょ濡れやん。”
“ありません。”
“そんなんで地下鉄乗ったら凍えるで。”
“大丈夫です。地下鉄には乗りません。車で迎えに来てもらいます。”
“そうか。”
“かばが迎えに来ます。”
“カバ?!”
“そう、かば。 おれのお父さん。”
私も子ども達と待ちながら着替えようと思って原付を移動し、着替えながら
カバ号を待つ。
ほどなくお迎えは来て、かばさんにもご挨拶できた。
2kmX5本も雨の中、目を皿のようにしてキロメートル表示を見落とさず
頑張って走ったのだけど、
子どもらとの印象が強烈過ぎて、どうやって走ったか忘れたわ。
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